【セブ島のギタリスト】新里陽平氏に聞いた海外でバンドをやる難しさ

これまでの過程/成果

一番つらかったこと

和久井:これまでのバンド活動で最もつらかったことはなんですか?

新里:創設時のベーシストを解雇したことです。

過去に最も神経を使った出来事でした。

彼とは音楽性が合わず、よく私が彼のベースを直接指摘していました。また、彼は仕事や家族を優先し、バンドへのコミットメントが低かったことも原因でした。
結果、周りのメンバーも痺れを切らし、彼にはやめてもらったんです。

彼の感情を害さないよう、途中からは人事を全てアンドリューにハンドルしてもらうようにしました。

それ以降、一切連絡がありません。やはり立ち上げ期から一緒にやってきただけあり、彼自身の感情も傷付いてしまったのかもしれません。でも結果として、作っているものがよくないと難しいです。

和久井:フィリピン人は「人間関係」と「音楽」を切り離して考えることができませんよね。

フィリピン人を攻略するコツ

新里:それはもう、、、。本当にその通りですわ。

日本では多少感情的になることはあっても、脱退ということになればだいたいの場合話し合うことができます。でもこっちでは感情を傷付けないことが最重要なんです。

最初の頃はかなり強く言っていました。でもフィリピン人の特性を知ると、私からは何も言えなくなってしまいました。

これが自分としては一番大きなカルチャーショックでした。

職場や、学校でもそうでしょうけど、先生が生徒をみんなの前で説教して復讐されたり、ナイフで刺したり。

極端に言えばフィリピンってそういう国でもあるので。

なので必然的に、フィリピンで人前で怒っている人はほとんど見たいことがないですね。人前で怒鳴るとか、人前で説教しているとか。

それは良い面でもあるんですが、ビジネスなどでは弊害を伴うケースもあると思います。

バンドの関係性から見る、フィリピン人の人間関係は非常に興味深いです。こっちで働いている日本人とか、会社経営をしている方でそういうのを分かっていない人もたまにいるみたいですが。

和久井:それは完全に僕ですね。

新里:(新里さん爆笑中)

いえいえ和久井さんはそんなことないでしょう。フィリピン人とも仲良さそうですし。

和久井:僕普段は温厚なんですけど、仕事のことになると結構言っちゃうんですよね。フィリピン人がそういうのダメだって知らなかったんですよ。それでフィリピン人みんな辞めていって。

その後語学学校で勤務とかしているうちにやっと分かったんです。フィリピン人って本当に怒ってはいけないんだなあと。

一番良かったこと

新里:そうなんですよねえ。でも私は良かったと思うこともありました。

私もすごい温厚になったんですよ。昔はすごくムッとしている人間だったんですけど、セブ島に来てからよく笑うようになりました。

そしたら皆が私を好きになってくれて、それって自分にとってもすごく良いことですよね。フィリピン人は根本的には優しい人が多いので、困っていると助けてくれるし、皆が仲間になってくれます。

これってセブ島だけじゃなくて、日本に帰っても通用することなのかなと思っていて。頭ごなしに怒るより、相手の気持ちを汲むことが大切なので。

昔は上司としての立場を守りたいと思っていたけど、今は部下のことを守りたいと思うようになりました。

和久井:それはビジネスマンとしてすごく優秀ですね。僕もそんな先輩が良いです。

新里:仕事もバンドもいろんなところでリンクしてきます。部下1人1人の感情を大切にするとうまくいくようになりましたね。

和久井:なるほど。自分もフィリピン歴がまだまだ数ヶ月の頃はすごくいろいろなことに怒っていましたけど、最近になってムカつくことがあってもとりあえず笑えばいいや、と。

新里:自分でどうこうできるもんではないですからね。相手のことは変えられないので。

和久井:これって音楽の話というより、人生の話、人間の話ですよね。

2人:(爆笑中)

和久井:海外でバンドすることって大変ですよね。という話から普遍的な人間関係の話まで敷衍してしまうのは単に新里の能力が高いからですよね笑

新里:そんなことないですよ笑

Hourglass、韓国に進出

新里:これまでに良かったことを話してきましたが、個人的に良かったことはフィリピン人の生き方について学ぶことができたという点です。カルチャーを学ぶこともできました。

バンドとして良かったことは、韓国でライブをしたことです。

昨年の夏、8月に韓国の麗水(ヨス)市の音楽フェスに招待されて、参加してきました。なぜかセブ島のバンドを検索していたら我々が出てきたらしく、航空券とか食費まで全部払ってくれました。

さすがに自費で韓国行って演奏なんて出来ないので、すごい良い経験になりました。

親戚一同も認めてくれるように

新里:フィリピンで有名になることもそうですが、海外で有名になることにすごく価値があります。

韓国に行ってお客さんに楽しんでもらった。それによって家族や親戚も応援してくれるようになりました。

「俺たちは韓国に行って音楽やって、人を楽しませることができるんだ!」

家族や親戚もこのバンドを誇りに思うようになりました。

和久井:どのくらいの規模だったんですか?

新里:そんなに大きいわけではなかったんですが、イオンモールにあるステージみたいなものが点々とあって、そこに出演するみたいな感じです。

ドラムのデニスは17年間のキャリアの中で最も良い経験だったと語っていました。

和久井:17年もやってるんですね!すごい。

今後の目標

和久井:さて、最後となりますが、今後の目標について教えていただけますか?

新里:大きく分けると3つあります。まず1つ目が、アルバムのリリースです。来年頃リリースして、タワレコやHMVで販売してもらう予定です。

2つ目が、韓国でライブをすることです。ブサンロックフェスというフェスに参加したいです。

3つ目が、これが一番成し遂げたいことなのですが、来日公演をすることです。現実的な目標だと来年のアルバムリリース後あたりになると思います。

和久井:なるほど。新里さんはもう日本への帰国が決まっているそうですが、今後はどういった活動になりますか?

新里:私は日本で活動して、彼らはセブで活動します。韓国・日本・フィリピンを中心に活動するインターナショナルバンドになります。活動拠点は常にグローバルに。

ノマドバンドみたいな感じですね。タイとかでライブをしてもいいかもしれません。

和久井:ノマド、まさに遊牧系のバンドですね。面白いというか、格好いいです。

新里:5年後だと、アメリカ、カナダ、ヨーロッパに進出したいです。でかい夢はあります。

和久井:素晴らしいと思います。僕はバンドを組むことすらままならなかったので、応援しています。本日はありがとうございました!

新里:こちらこそありがとうございました!

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