【セブ島のギタリスト】新里陽平氏に聞いた海外でバンドをやる難しさ

セブ島で音楽をやるということ

和久井:海外でバンドをやることが大変であるというのは先にもお話した通りだと思います。セブ島で音楽をやるということって、つまりどういうことだと感じていますか?

新里:まずセブ島の音楽シーンですが、ハードロック/ヘヴィメタルやレゲエが人気です。

少し前にも話しました通り、シンプルで単純な音楽をフィリピン人は好む傾向があります。

実際は音楽シーンによる影響より、コミュニティや人間性による影響の方が大きいです。

コミュニティ・人間性

和久井:僕もフィリピンに住んで2年目になりますので、なんとなく人間性といった面では予想がつきます。実際はどんなことがあるんですか?

新里:そうですね。例えば、アンドリューやスカッドがバンドを始めました。レコーディングスタジオが1時間700ペソ(約1,400円)です。

働いて稼いだお金をそういうところに使うということはあまり受け入れられていません。彼らは親に仕送りをしなければいけないんです。

実際にありました。

親が病気になって薬代を送らないといけない。彼らが別の島からセブ島へきた理由は、家族を支えられるように、彼らが人生で成功するためです。

それでバンドをやっていて、1時間700ペソ払うとなると、

「お前は何をやってるんだ!」

と親戚に言われてしまうそうです。

親戚には

「マニラやドバイにでも行って成功しないといけないだろう」

と言われることもあるそうで、それが彼らのプレッシャーになるんです。

僕は外国人の立場からすると、これはちょっとただ事ではないというか、もしかしたら解散するかもしれないと覚悟したこともありました。

でもそんな状況になっても絶対にバンドをやめなかった彼らの情熱は本物なんだと確信しました。

段々と自分も後には引けなくなっていたことに気付きました。それからバンドメンバーの絆も深まったように思います。

音楽をやることで払う犠牲やリスク

新里:自分たちの音楽を広めるためには、音楽そのものをよくしないといけない。

自分の時間を犠牲にするしかない

恋人との時間を犠牲にするしかない

家族との時間を犠牲にするしかない

自分たちもかなりシリアスな活動をしているという認識が高まっていきました。

和久井:フィリピン人はかなり人との時間を大切にしますよね。休日は絶対に友人、恋人もしくは家族に会っている印象です。

そんな時間を犠牲にするということは、彼らがどれだけこの活動にシリアスなのか分かります。

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